目覚めた中学生



☆登場人物
 

俺……腹パンチに目覚めた人間
 
ユキ……主人公にターゲットにされた同じくクラスの同級生




プロローグ
 


俺は普通の人とは違う性癖を持っていると気づいたのは、いつからだろうか。
 



まあ、そんなことはどうでもいい。俺はとにかく女が腹を攻撃れているのを見るのが好だ。




例えば、日曜朝早くからやっている、何とかという戦隊モノ。その、ヒロインが悪の怪物に腹を殴られたり、膝蹴りを食らっているシーンを見つけると、三ヵ月後くらいにその戦隊モノのDVDがレンタルで出たら、それを借りてそのシーンだけ見たり。




勿論、そんな性癖を人には他の人間には言わない。言えない。言ったら、誰も俺とはつるまなくなるだろうし、話さなくなるだろう。明らかに、人とは違う変った性癖を人には言えない。そして話すまでもないが、女の腹を殴ったことはない。
 




そんな俺は中学一年。普通に暮らして普通の人間として暮らしてきた。でも、何かが物足りない。俺の仲間はエッチな話やセックスの話で盛り上がりいかにも楽しそうというか嫌らしい顔をしているのに、俺は全く満たされない。
 



そんな時だった。ターゲットとなるユキがウチのクラスに転校してきたのは。



ステップ1 人にやらせる
 


転校生のユキににムカついているクラスメイトの友人に、「腹パンなら、アイツの性格からしてチクらないと思うし先生にバレないと思うぜ」


と、俺はと持ちかける。放課後の体育館倉庫にユキを呼び出し、彼女に腹パンを何発も食らわす友人。その様子を後ろから平然とした顔で見つめる俺。


しかし、俺の心の中では今までにない興奮が芽生えていた。アソコが勃起していた。




ステップ2 スキンシップと見せかけて
 


友人の彼女への放課後腹パン虐めが酷くなり、流石に可愛そうだと妙な理性が働いた俺は、友人にそろそろ止めたほうがいいと持ちかける。すると、そんな俺に彼女は何故か惚れたらしく、俺とユキは付き合うことになる。
 


そして俺は彼女のことが好きになっていった。それは性格でも顔でもない。彼女の腹が好きになった。
 



俺は何と彼女の腹を殴るまではいかないまでも、スキンシップの形で触ろうと試みる。




それに対して彼女は、普通のスキンシップだと勘違いして俺に何の抵抗もなく自分の柔らかな腹を触らせてくれる。俺の変な性癖で彼女を見ていることにも気づかずに。




ステップ3 日常生活の中で
 

俺は徐々に、日常生活の中で彼女を殴れるコツを身につけた。
 


それは彼女に俺の悪口を言わせることだった。元々生活がキツかった彼女は、しょっちゅう俺の悪口を冗談半分で言っていた。それを利用した。俺も冗談で怒って彼



女が悪口を言った時は軽く彼女の腹を殴ることにしたのである。
 



彼女はそれに対して、自分も冗談で悪口を言っているということもあってただのじゃれあいの遊びだと思い、そこまで嫌がらずに受け入れてくれた。
 



まだ彼女は俺の性癖には気づいていない。




ステップ4 脅して
 


俺は最終定点まで到達気がする。俺は彼女の腹をいつでも何処でも何の理由もなく思いっきり殴れる環境を作ることに成功した。
 



それは簡単なことだった。彼女を脅すのだ。俺に殴られなかったらいつ別れてもいいと。
 



彼女は外見の性格から想像もつかないほどメンタルが弱く、執着心が強い女だった。そうやって脅して、殴らせるのは容易だった。
 


今日は一発。今日は三発。今日は百発。と殴る回数を増やしていった。そうしているうちにいつでもどこでも、何の理由もなく思いっきり彼女の腹をそんぶんに殴れれることができる環境になっていた。
 



たぶん、彼女は俺のことをDV男だと思っているだろう。そうじゃない。俺は特別不満があるわけでも、彼女が憎いわけでもない。ただ、性癖なのだ。そう。それが俺の性癖。





エンドロール
 


こうして、俺の性癖は満たされた。